人間は考える葦である。
しかし、葦はほうっておいても成長するが、
人間が成長するには自らの意思が必要だ。
人間は考える葦である。
では我々は今なにを考えるべきか。
それを知るためには人と出会い、学び、発見することが必要だ。
人間は考える葦である。
今宵、我々はそこに新たな言葉を付け加えよう。
人間とは自らの意思によって知識を求め
思考することによって成熟へと向かう。
そう、我々は成長する葦なのだ。
(by J-WAVE 「Growing Reed」より)
日曜日の夜、J-WAVEをぼーっと聴いてると始まるこの言葉。
岡田准一がMCやてる「Growing Reed」って番組の冒頭部分。
いつも聞き流してたけど、J-WAVEのHPに行ってしっかり読んでみたら
とても素敵な文章だったから思わず抜粋。
先週のゲストは田原総一郎さんだった。
いつもどおり「ながら聴き」してたんだけど、
途中から田原さんの熱い語りに思わず手を止めて聞き入ってしまった。
お題は「ジャーナリズムの使命ってなんですか?」
岡田君の「なにがそこまで田原さんを突き動かしているのですか?」という質問の答えとして、
田原さんがこう話した。
好奇心ですよ。
こないだも、一人でドバイにふらっと行ってきました。最近ドバイが元気がないって聞いたから、
自分の目で見たいと思って行ったんです。好奇心だけですよ。
それで行ってびっくりしました。ドバイはものすごく元気でした。活気に溢れていました。
新聞の言うことなんて嘘でしたよ。
だから自分の目でしっかりと見ないと、真実なんて分からないんです。
世の中嘘の情報がたくさんありますよ。
(記憶を辿ってるだけなので言葉は全然違うけど、趣旨はこんなかんじ)
これを聞いて、高校生の頃に考えてたことを思い出した。
高2か高3のとき、私は2冊の本を読んだ。
一冊が、タリバン政権時代からカブールで活動していた日本人が書いた本で、
その中に「タリバンって本当に“悪い”政権だったのか?」っていう問いかけがあって、
“悪い”って何だろう、特に異文化における“良し悪し”の判断って
簡単に下すことが出来るのだろうか?って考えさせられた。
もう一冊がボスニア・ヘルツェゴビナ戦争を題材とした『戦争広告代理店』。
政府がPR会社を雇って世界の世論を煽り、欧米の味方を得たことで勝敗が決まったってあって、
マスコミが伝える「事実」が世論(それも外国の)を動かして、
国とそこで暮らす人たちの運命が決まるだなんて・・と驚いた。
それから私は「自分の目で確かめない限りはすべて鵜呑みにしちゃいけない」って思ったんだ。
そんな考え、ここ数年すっかり忘れてたけど。ってか、今思うとなんだかとても青臭いし。
でも御歳75才の田原さんは一生懸命何度も何度も言った。
「あらゆる情報を疑いなさい」と。
すごい情熱だなって思った。
75歳になってもいまだに、岡田君とリスナーに一生懸命呼びかけてる。
そこから田原さんの「発信しなければ」という焦燥感のようなものが感じられた気がする。
こういう人を大切にしなければいけないって思った。
もっともっとずっと長生きしてもらって、もっと色んなことを伝えて欲しいと思う。
ちなみに、ちょっと方向違うけど、田原さんの言葉を聞いて思い出したこと。
昔海外にあこがれてた頃に持っていた気持ち。
「海外で暮らす人たちの、“普通”の生活を見てみたい。
観光バスの窓ガラスを通して見るんじゃなくて、
地元の人が歩く道を歩き、食べるものを食べ、
その国の言葉で話し、“普通”の人たちが暮らしてるのと同じような部屋に寝泊りしたい。」
こういう好奇心って大切だよね。
過去の自分相手に変だけど、こういう風に心から思えるように、また戻りたいって思う。
今年の夏休みは、多分2回目のトルコだけど、この気持ちを思い出しながら旅行しよう。
もう、勉強させてもらう年齢は過ぎたけど、それでも人間である限り、
成長する意思を持って、人と出会い知り学び、「成長する葦」でありたい。
ラジオっていいね。