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お酒   

誰かと飲みたい、そんな気分。
それは、ふとしたときにやってくる。
前もって分かっていれば、前もって誰かを誘えるのに。
それは、あまりに突然にやってくるから、
もうどこの窓も明かりを消してて。
それは、あまりに遅くにやってくるから、
もうどこの店も片づけを始めてる。

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透明のコップに氷を4つ入れて、梅酒を注ぐ。
重なり合った氷の一番上からちょっとずつ、下へ下へと伝っていって、
カランと音がしたら、ちょっと幸せ。
ゆるゆるの部屋着を着て、靴下を脱いで裸足になる。
明かりを落して、オレンジ色のランプをともす。
暖色系の色みが気に入って衝動買いしたカーペット、その上に小さく座る。
本当は狭くてごたついた部屋だけど、頭の中では、
果てなく広がるカーペットの上に、梅酒のコップと体育座りの私がぽつり、そんなイメージ。
ゴクン、と、小さな、けれど確かな音でひと口。 ふた口。
ノラ・ジョーンズの、甘くけだるい歌声を頭の端っこに絡めながら、
お酒が身体に染み入ってく感覚に神経を注ぐ。
その時、その感覚を、じっと、静かに堪能する。

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「飲もうよ」
週末でも明後日でも明日でもなくて、今。
今、まさに今、お酒と誰かを欲している私。
でも、誰でもいいんじゃなくて、別に好きな人とかでもなくて、
その時その時の微妙なバイオリズムで飲みたい"誰か"も変わってくる。
そんな、細くて複雑な糸を、真っ暗闇の中から辿っていって、
そして探知した"今"という時と、"誰か"という人。
そして言うこの言葉。
「飲もうよ」
この願いが叶わなかったその後は、狂おしいほど人恋しくなる。
そして長い夜が始まる。
(April 23, 2006)

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久しぶりに、一人で梅酒を飲んでみた。
部屋は、これを書いた当時よりももっともっと散らかってて、
そして生活リズムは狂いに狂い、荒みきった生活。
そんな中での決行。
でも、いい。
今からゆっくり部屋を片付けようと思う。
窓から朝焼けを眺めながら。

早朝に痴漢に遭って以来、恐くて朝焼けを見に行けないのがなんとも残念。
でもきっと、こういう制約は、これから生きていけばいくほど増えてくと思う。
でも、そんな制約だらけの中でも、日々の生活から自分だけの小さな幸せを探していって、
堪能できたら、それでいいと思う。
というか、そういう妥協こそ、これからの人生を幸せに送るための鍵なのかもしれない。
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by isteem | 2006-08-01 04:37